三島由紀夫の世界

三島由紀夫の世界、光と音で表現…東京国立博物館

三島由紀夫の世界を表現する「光と音のインスタレーション」 上野の東京国立博物館で4日夕、建物の外壁に映像を映して、作家・三島由紀夫の世界を表現するユニークな催しが始まった。

 同館内で上演されている三島作の舞台「サド侯爵夫人」の関連イベント。1925年に生まれ、70年に自決するまでの三島の生涯や国内外の出来事を、当時の読売新聞紙面や写真で振り返るほか、三島作品に登場する金閣寺や能面などの映像で外壁を彩る。

 「光と音のインスタレーション」と題し、照明デザイナー石井幹子さんが手がけた映像と、作曲家の三枝成彰さんによる音楽が、舞台とはひと味違う「三島の世界」を表現する。催しは13日まで。

(2005年11月4日23時22分 読売新聞)

三島由紀夫 十代の5編

社会ニュース - 11月4日(金)15時50分 ニュース記事写真動画トピックス 条件検索

三島由紀夫 十代の5編、初公表

「愛の処刑」は自作と確定
 作家の三島由紀夫(大正十四−昭和四十五年)が十代で書いた短編小説五編をはじめ、後年の書簡五十四通、創作ノート十六点など大量の未発表資料が、新潮社から刊行中の全集で初めて公表されることが四日、分かった。芸術家の内面を掘り下げた短編などに確かな描写力が読み取れ、「早熟の天才」の形成期を具体的に物語る貴重な資料だ。
 また、同性愛や切腹を描き、昭和三十五年に別名で同人誌に発表された小説「愛の処刑」の三島の自筆原稿が見つかり、初めて三島作と確定された。
 いずれも十二月刊の「決定版 三島由紀夫全集」の補巻に収録される。
 小説や書簡は、三島由紀夫文学館(山梨県山中湖村)所蔵の遺品を数年がかりで整理していた研究者や全集の編集者が発見したり、関係者から寄せられたりした。
 初公表の短編のうち最も古い作品は、学習院中等科一年(十二−十三年)で書いた「我はいは蟻である」で、働きアリがえさの運び方を教わる物語。中等科四年で書いた「神官」は、祖母の伯父をモデルにその晩年を描き、同時期の「冬山」は、画家の内面を繊細な言葉遣いで掘り下げている。
 「愛の処刑」は、三島と親交のあった作家で編集者の故中井英夫の関係者から、ノートに書かれた自筆原稿が編集部に寄せられた。中学の男性教師が愛する男子生徒の前で切腹する内容で、三島が書いたのではないかと推測されていた。
 今回、三島作と断定されたことで、二・二六事件をモチーフにした小説「憂国」(三十六年)や四十五年の自決をめぐる研究が進むとみられる。
 初公表の書簡には「憂国」のモデルとなった将校の自殺現場に駆けつけた軍医に、詳細な様子を尋ねたものなどがある。
 同全集は、全四十二巻と補巻に、三島自身が主演した映画「憂国」のDVDを別巻として来春完結する。
≪早熟の天才 優れた表現力≫
 今回初公表される三島由紀夫の十代の短編からは、繊細な感性に加え、既に詩情豊かな優れた表現力が備わっていたことが分かる。
 学習院中等科四年(昭和十五−十六年)、十五歳のころに書いた「冬山」は、四百字詰め原稿用紙九枚。冒頭、次のような文章で始まる。
 「冬山の寂々とした軸が掛つてゐることで、その部屋のなかが霧のやうな爽やかさにあふれてゐることが知れた。姿はみえぬまでも深い山ぞひの流れがしづかに朝の部屋へ伝はつてくるやうに思はれた。ほんたうは和紙の地色にすぎない冬空が、骨(こつ)のように清らかに白かつた」。さらに三島の筆は画家である「私」の内面に迫っていく。
 同じ学年で書かれた「神官」は原稿用紙十四枚分。東照宮宮司をしていた男の晩年を描いている。「おそらくよそへ向け場のない神経が過去に対してだけひどく鋭敏になつてゐるので、もう未来といふものが袋小路のやうに思はれるのであらう」などと、老いを見つめる目もある。
≪「本質」生の形で≫
 「決定版 三島由紀夫全集」の「補巻」で解題を執筆した井上隆史・白百合女子大助教授の話 「補巻では、初公表の十代の短編以外に、新資料として18歳ごろの三島が執筆した歌舞伎舞踊の台本『狐会菊有明』も収録。未完だが、この若さで書こうとしたことに驚かされる。書簡やメモ類からは、完成された作品に描かれた人間の生々しい衝動を、よりリアルに見ることができる。補巻全体を通して、三島由紀夫が本質的に持っていたものが生の形で出ている」
 ■三島由紀夫 大正十四年東京生まれ。本名・平岡公威。十六歳の時「花ざかりの森」でデビュー。東大法学部卒業後、旧大蔵省に入るが退職し、作家活動に専念する。昭和二十四年の「仮面の告白」で地位を確立した。四十五年、陸上自衛隊市ケ谷駐屯地(東京都新宿区)で自衛隊に決起を促したが果たせず、割腹自殺。代表作に「金閣寺」「潮騒」「豊饒の海」四部作ほか。今年は「春の雪」が映画化、「近代能楽集」が米ニューヨークで上演。また本格的な展覧会が催された。「決定版 三島由紀夫全集」全四十二巻には既に、編集の過程で見つかった小説十九編が収録されている。
産経新聞) - 11月4日15時50分更新

内村鑑三英訳 /第2の皮膚

社会ニュース - 11月4日(金)0時39分 ニュース記事写真動画トピックス 条件検索

内村鑑三>元銀行マンが1年9カ月かけ初の英訳

 学生時代に思想家の内村鑑三に深い感銘を受けた北海道銀行元常務の山城俊昭さん(64)が、現役を退いた後、1年9カ月ががりで著作「後世への最大遺物」を初めて英訳して出版した。山城さんは英語が好きで、中学生の時から文通を続ける米国の女性にも内村のことを伝えたいと早くから英訳を考えていた。
毎日新聞) - 11月4日0時39分更新





コンピュータニュース - 11月3日(木)12時52分 ニュース記事写真動画トピックス 条件検索

第2の皮膚──MEDIA SKIN現る

 赤いドロドロのゴムのような液体から引き上げられている携帯──。この鮮烈なデザインイメージは、“メカメカしい”携帯を見慣れている我々に衝撃をもたらした。吉岡徳仁氏のデザインによる「MEDIA SKIN」が、11月2日、東京・聖徳記念絵画館内で公開された。

 「身体に最も近いプロダクトとは、携帯電話なのかもしれない」──。吉岡氏はMEDIA SKINの紹介としてそう記している。名刺入れを細長くしたくらいの大きさのMEDIA SKINは、樹脂とも革ともつかない、微妙なぬくもりを持った素材で覆われている。

 「いまの時点では、この質感を実現できる素材はない。しかし薄く弾力と暖かみを持つ素材を追求していきたい」と、au design projectを率いるKDDI小牟田啓博氏は商品化へ向けた意欲を語る。

 MEDIA SKIN自体は2.4インチ程度の液晶を搭載したフリップ型端末だ。厚みは10ミリ程度しかない。あくまで手作りの試作機であり、内部に基板などは入っていないというが、細部の作り込みを見ると携帯電話としての実現性も考慮したものだと分かる。例えば、背面のカメラ部にはマクロ切り替えスイッチが用意されており、側面には「YOSHIOKA TOKUJIN」のエンボスのほか、イヤフォンマイクのコネクタも場所が用意されている。上部には着信時などに光るのであろう、LEDも搭載された。ここまで完成度が高い中、受話用のスピーカーは搭載されていないが、ここはディスプレイ一体型スピーカーなどを考えているようだ。

■さらに画像の入った記事はこちら
  http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0511/02/news093.html

http://www.itmedia.co.jp/mobile/
(+D Mobile) - 11月3日12時52分更新

夢十夜 

漱石夢十夜」でユメのコラボ…11人の監督が映画
2005年11月02日(水) 夕刊フジ


夕刊フジ


 夏目漱石幻想小説夢十夜」が、ベテランから若手まで11人の監督(うち一組は共同監督)によってオムニバス映画「ユメ十夜」(日活、来年公開)として撮影が進んでいる。その中の「第六夜」(松尾スズキ監督)では、鎌倉時代の仏師、運慶が現代風のダンサーの衣装で登場し、「キターーー!」「萌え〜!」などのセリフを発し、仏像を刻みながら流行のトランスに乗って踊るという奇想天外なミュージカル仕立て。漱石と2ちゃんねら〜が“夢のコラボ”!?

 漱石の「夢十夜」といえば、「こんな夢を見た。」で始まる短編集。


 「第六夜」は「運慶が護国寺の山門で仁王を刻んでいると云う評判だから、散歩ながら行って見ると…」と書き起こし、漱石は明治によみがえった運慶を描いている。映画の「第六夜」では、ストリートダンサーのTOZAWAが運慶に扮する。大スターの登場に沸く群衆たちの手拍子とステップにノリながら、ノミをふるうという趣向。さて、どんな像を彫り上げるのか…。


 松尾は「演じるだけではないので気持ちは複雑。『ユメ十夜』全体を通して見たときに、へんな夢を見たなと思ってほしい」と語るが、「第一夜」(実相寺昭雄監督)では役者として小泉今日子(39)と共演。こちらでは漱石の弟子、内田百聞をイメージした作家「百聞」を演じている。


 松尾はこのほど、都内で行われた撮影現場で、「『夢十夜』は漱石文学の中でも自由で創造的な物語。原作中でも『第一夜』は十話の中でもより美しくてすてきな作品。実相寺監督の映像世界と、久世光彦さんの脚本で完成している世界観を壊さないよう演じています」と話した。妖艶な長襦袢姿で登場した小泉も「ラインナップされた監督の名前を見ただけで、興味がわいてくる作品になります」と「ユメ十夜」の魅力を語った。


 映画は最年長の市川崑監督(80)から、最年少山下敦弘監督(30)まで、幅広い世代の監督がそれぞれの個性をぶつけ合うユメの競作にもなりそう。


 これまでのイメージを一新するバラエティーあふれる漱石像が楽しめる作品の完成は来春。公開は秋の予定。